シニア・シーに雛あられが掲載されました。
シニア・シー63号にてみなとやのてづくりひなあられをご紹介いただきました。その模様をお伝えいたします。
手づくり雛あられ~昔なつかしい味と香り~
桃の節句に欠かせない「雛あられ」こだわりの手づくりで伝統の味を守り続ける下町の職人技を東京深川からご紹介します。
西と東で違う味?
古くは平安時代の宮中行事だった雛祭り。「雛あられ」のルーツをたどると、野外にひな人形を持ち出して遊ぶ「雛の国見せ」の時にご馳走と一緒にもっていったお菓子といわれています。また一説では、菱餅を外で食べるために砕いて作ったともいわれています。
この「雛あられ」」は実は西と東で味が違うのをご存知でしょうか。関西では普段食べている直径1cm位の塩または醤油味のあられで、関東では「爆米(はぜ)」という米を煎って作った甘い米菓子です。最近では随分と垣根が低くなったようですが、皆さんの地域はどちらの味でしょうか。
心がこもる下町の職人技
「昔ながらの職人による伝統的な製法を守り、工場生産では出せない食感と風味のある雛あられを作り続けています」と語る「みなとや」三代目の店長青木さん。
製造はもち米を薄く伸ばして細かく切り煎り機で焼き上げたものに三つで味付けをしてつくります。中でもこの「焼き上げ」と甘みを付ける「味付け」は職人技が光る難しい作業です。
湿度や温度の変化で焼き上げ時間が微妙に変わるため、秒単位で餅のふくらっみ具合を見極めます。焼きすぎると焦げてしまい焼きが足りないと美味しくなりません。
また味付けは砂糖と水を温めて作った蜜で行いますが、蜜の煮詰め具合とあられとの絡め加減が味と食感を左右するので、シンプルなだけにごまかしがきかず、熟練の勘を要します。
伝統行事への思い
「雛あられ」をはじめ、ほかの商品の素材選びにもこだわりはあります。もち米は安価な加工米ではなく山形県産を、塩は淡路の藻塩、タレつくりには特選醤油と吉野葛を使用します。
「日本独自の伝統的な行事が廃れつつある昨今、手作りのおかしで、日本の伝統行事の伝承に少しでも貢献していきたい」
えどの下町風情が色濃く残る門前仲町の地でてづくりされる「雛あられ」口に入れた瞬間、優しく広がる甘さが春の訪れを感じさせてくれます。