法事・法要にふさわしいお供え物とは|注意点と合わせて解説

法事に招かれるとき、持参するお供え物にはどのような物がふさわしいのでしょうか。金額はいくらが相場なのか、地域によっては風習やマナーが違うこともあり、失礼のない物をと考えるとなかなか難しいものです。今回は法事や法要に持参するお供え物について、最適な商品や避けるべき品物、参列時の基本マナーをあわせてご紹介します。

この記事のポイント

  • 「法要」は僧侶に読経してもらい故人を偲ぶ儀式、「法事」は法要から会食までの一連の行 
  • 法事・法要のお供え物は香典(現金)のみ、お供え物のみ、両方の3パターンがある
  • お供え物の相場(現金、品物ともに)は5,000円〜1万円、親族は1万円〜5万円
  • お供え物には香りの強いもの、生物、小分けしにくいものは避け、個包装されたお菓子や線香、お花などがおすすめ
  • 地域によりルールやマナーが異なるため必ず確認する

法事・法要とは?

「法事」と「法要」は同じだと思っている方も多いでしょうが、それぞれの言葉が持つ意味は異なります。ここではまず、順を追って説明していきましょう。

法要は故人を偲び、寺院で読経と焼香を行う仏教的な儀式です。「追善供養」とも呼ばれていて、一周忌法要や、七回忌法要などがこれにあたります。

法事は法要後に行われる会食までの一連の行事です。一般的に、初盆やお彼岸、一周忌、三周忌などで家族や親族が集まり、食事をして行事が終わるまでを指しています。

法事・法要で必要な持ち物

法事や法要に招待された場合、持ち物についてのマナーやルールを知らずにいると、相手に失礼を与えてしまうことがあります。生前お世話になった故人やご遺族への配慮のためにも、必要な持ち物をきちんと確認して準備しておきましょう。

数珠

数珠は忘れると礼をかく、法事や法要での必需品です。身を守る効果があるとされる仏具で、お焼香の時に使用します。使用する数珠は宗派によって異なりますが、分からない場合は「略式念珠」の使用も可能です。数珠の貸し借りは基本的にタブーのため、当日までに準備しておきましょう。

香典

法事に参列する時には、香典やお供物を持参します。金額は故人との関係性にもよりますが、目安として5,000円〜1万円程度、親族となれば少し高額で1万円〜5万円程度が相場です。香典とお供物の両方をするケースも少なくありません。香典は新札を避けてお札の肖像画が裏向きになるように入れます。これは、お悔やみの気持ちを込めて顔を伏せるという意味があります。香典袋は、袱紗(ふくさ)に包み持参しましょう。

ハンカチ

法事や法要で使用するハンカチは、白か黒の無地が適切です。法事は故人を偲ぶための行事であるため、派手な色や柄のハンカチは明るすぎて、その場にふはさわしくありませんね。白や黒のハンカチを用意しておくと、袱紗を忘れた時の代用としても使用できます。

※ハンカチで代用する方法
①ハンカチをひし形になるように広げ、中央よりやや左寄りに香典袋を置きます。
②右、下、上の順にたたんでいき、最後に左をたたみ左開きにします。

折り畳み傘

急な雨や夏の日差しを避けるため、晴雨兼用の傘をもっていると便利です。黒や紺、グレーなどの地味目の色をおすすめします。

お供え物

お供え物は仏壇に供えるものを前提とし、「五供(ごくう)」と呼ばれる「香・花・灯燭・水・飲食(おんじき)」が良いとされています。どれも消費できるもので、金額は5,000円〜1万円ほどが相場です。

法事・法要に持っていく一般的なお供え物

お供え物は、どのような物が良いのか悩んでしまいますね。故人が好きだったもの、法事の後に参列者で食べられるもの、お下がりとして持ち帰ってもらえるような、消費して無くなるものが良いと言われます。ここではお供え物に最適な品をご紹介します。

お菓子

お供え物の定番であるお菓子は、お下がりにもできるおすすめの品です。その事も踏まえて、日持ちがする個包装のものを選んでおくと喜ばれるでしょう。洋菓子ならクッキーやマドレーヌ、和菓子はせんべいや最中、羊羹などが選ばれています。

なかでも、幅広い年齢層の方に食べていただけるのが、おせんべいです。

【みなとや】煎餅詰め合わせ37枚入り進物箱

東京の老舗せんべい屋「みなとや」のおせんべいは、原料のお米にこだわり、伝統のレシピで作られたタレを使った自慢の味。熟練した職人の手による手作りせんべいとおかきは、工場で大量生産されるものとは比べ物にならない美味しさです。お煎餅の枚数は少量から枚数の多いものまで取り揃えているため、予算に応じた商品が選べます。

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果物

お供え物の果物は、梨やりんご、オレンジ、ぶどう、メロン、スイカなどの丸いものが良いとされています。仏壇にお供えするため、痛みやすい果物や汁が出る果物、重いものは、お供え物には向いていません。

お花

お供え物のお花は、四十九日までは菊やユリ、胡蝶蘭、それ以後は色花でも良いとされていて、故人に喜んでもらうために、生前好きだった花を選ぶ方もいらっしゃいます。お供え物として持参するなら切り花ではなく、アレジメントやブリザードフラワーなどが良いですね。ご遺族が花瓶に花を生ける手間が省けます。

お酒

故人がお酒が好きだったなら、ビールや日本酒をお供え物に選んでも良いかもしれませんね。ただ、ご遺族がお酒を飲まない人ばかりだと消費できないため、お供えしても良いか確認しておくほうが無難です。

線香・ろうそく

線香やろうそくは、明るく照らすという意味からお供え物には最適とされる品です。毎朝晩、使用するため、ほかの参列者と被ってしまっても問題ありません。線香から上がる煙は、故人を極楽浄土まで導くとも言われています。

法事・法要で避けた方が良いお供え物

自分ではお供え物に良いと思っていたものが、実はタブーだったら困りますよね。お供え物に適していないものは、香りが強いものや殺生を感じさせるものです。ここでは、お供物には避けたほうが良い品とその理由を説明しましょう。

香りの強いもの

お供え物には、香りの強いものは避けるのが習わしです。その理由は、「仏様はお供えした食べ物や飲み物の香りを食べるから」といわれています。

仏教や道教では「禁忌の野菜」と呼ばれる5つの植物・野菜があり、別名「五葷(ごくん)」とも呼んでいます。これらは、情欲や怒りを増幅させるといわれ、お供え物には避けたいとされるものです。

  • 仏教:にんにく、ニラ、ねぎ、らっきょう、のびる(ユリ科でニラのような臭い)
  • 道教:にんにく、ニラ、らっきょう、アブラナ、こすい(セリ科の植物でパクチーのこと)

この五葷のほかにも、香りで気をつけたいのが、お花と線香です。

お花はお供え物におすすめですが、種類によっては避けておきたいものがあります。

  • 香りの強い花
  • 鉢植え:不幸が根付くといわれ縁起が悪い
  • つる性植物:地上の人間にからみつき死者にあの世へ連れて行かれる
  • 禁花:バラなどトゲのある植物は触れると怪我をする可能性があり、トゲ処理のために手間を掛けさせてしまうため

綺麗なお花で飾り故人に喜んでもらいたい気持ちもありますが、上記に当てはまる種類は避けてお供えのお花を選んであげてください。

線香

今では、線香にもさまざまな香りがありますよね。線香もお花と同じで、香りが強すぎると人によっては不快に感じられてしまいます。香り付きの線香は、施主に確認をとってから用意するほうが良いかもしれませんね。

お肉・お魚

お供え物には、冷蔵・冷凍が必要なものは基本的に選ばないでおきましょう。特にお肉やお魚は生物で日持ちがせず、死臭を連想させるとしてお供え物にはタブーとされています。仏教では生き物の殺生を禁じているため、缶詰の魚や肉も避けてください。

小分けしにくいお菓子

お供え物は法事の後、参列者にお下がりとして持ち帰ってもらえるように、個包装されたものが好ましいとされます。生物、生クリームやバターを多く使用したケーキなどのお菓子は分けにくいばかりか、すぐに傷んでしまいます。これらの理由から、お供物は衛生的で賞味期限がなるべく長いものを選ぶようにしましょう。また、数物は4と9を除いた奇数にしておくと良いとされています。

地域によってお供え物のルールが違う

金額相場

法事や法要へ持参するお供え物は、「品物」「現金」「品物と現金」の3パターンがあります。地域によってはお供え物は持ち寄りの風習があって、品物よりも現金の方が良い場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。

現金を包む場合は、会食に参加するか否かで金額をプラスすると「お食事をいただきありがとうございます」の気落ちが伝わりますよ。

法要のみ:5,000円前後
会食参加の場合:10,000円〜15,000円

お供え物の金額相場

お供え物は低すぎても失礼にあたり、高すぎると相手に気を使わせてしまいます。

お供え物の金額相場は、

  • 会社関係や友人が、3,000円〜5,000円
  • 法事・法要に参列する親族、親しい間柄になると、5,000円〜1万円

と言われています。

下記に金額別におすすめの商品を選んでみましたので、参考にしてください。

《3,000円〜4,999円》

【東京風月堂】お菓子の美術館24個入
ふんわりとした軽い口溶けの半生菓子、全部で7種類の詰め合わせです。

【パティスリー銀座千疋屋】銀座ゼリー9個
グレープフルーツ、さくらんぼ、マンゴー、ブルーベリー、ラ・フランス、キウイの6種類のゼリーの詰め合わせです。

《5,000円〜9,999円》

【とらや】弔事用詰合せ小形羊羹 18本入
人気の小形羊羹『夜の梅』『おもかげ』各6点、『新緑』『はちみつ』各3点を詰め合わせされた商品です。

【梅栄堂 】お線香特撰五種アソート桐箱
香木伽羅(きゃら)をはじめ、産地別の香木沈香(じんこう)の香りが楽しめる
お香セットです。

《1万円前後》

【銀座千疋屋】果物詰合せ
お供え物に最適な旬の果物が詰め合わせになっています。

【日比谷花壇】お供え用アレンジメント「花清香(はなきよか)」
生花(ユリ、マム、カーネーション、リシアンサス、グリーン)のアレンジと、線香「白鳩」のセットです。

お供え物に関するマナー

お供え物は、品物選び以外にも掛け紙のかけ方や表書き、渡し方など細かなマナーがあります。ここでは、渡し方に関するマナーを説明しましょう。

渡し方のマナー

法事に参列される場合は当日にお供え物を手渡しできますが、欠席される場合は、法事の1週間〜2、3日前までにお供え物が届くように手配しておきます。その際は、お手紙かメッセージを添えておくと、受け取る側も喜ばれますよ。

「のし」の書き方のマナー

お供え物には、弔事用の水引と「弔事用のし紙」を使いましょう。のし紙の表書きの書き方は、地域の風習や宗派によって異なります。

水引の上部中央には、「御供」または「お供物」と書いておくのが無難です。この言葉には、故人や先祖に対して感謝の気持ちを捧げるという意味があります。水引の下には氏名を記入します。

水引は、黒白または黄白で結び切りを使用します。こちらも地域によって異なり、

  • 関東は黒白
  • 関西は黄白

のケースが多いようです。事前に必ず確認してください。

のしの掛け方にも、お供え物に直接のしをかけて、その上から包む「内のし」と、のしを最後にかけて贈った人の名前が確認できる「外のし」があります。

お供え物を渡すタイミング

いろいろと考えて用意したお供え物は、渡すタイミングがとても大切です。法事の当日、まずは玄関先でお招きいただいたお礼を伝え、お供物と香典はこのタイミングで渡します。

この時に、お供え物は入れてきた紙袋から出して渡し、必ず袋は持ち帰るようにしましょう。風呂敷に包んであった場合も同じです。勝手に仏壇にお供えをするのはマナー違反ですので、注意してください。

まとめ

法事や法要に持参するお供え物には、故人に喜んでもらえる「五供」に由来した物が最適です。そのなかでも、香りの強い物や日持ちのしない物は避けるほうが良いとされ、地域の風習によっても異なります。お供え物の渡し方にも、のしの書き方や渡すタイミングなど細かなマナーがあり悩むことも多いでしょう。

しかし、あまり難しく考え過ぎず、一般的なお供え物の相場や地域の慣習に沿うよう準備しておけば、その気持ちは必ず伝わります。故人へのこれまでの感謝と哀悼の気持ちを示し、基本的なマナーを守って、法事・法要の場を和やかにお過ごしください。

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